やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

実験08「声でコップが割れる?」

人の声でガラスのコップを割ることはできるのだろうか。楽器や機械を使って、どういう条件が必要なのか検証する。そして、いよいよ人の声でガラスのコップ割りに挑戦!果たして…?

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「声でコップが割れる?」

 番組では、コップをたたいて出る音を確かめていました。コップをたたいて出る音と同じ高さの声を出すことで、コップを割ろうというのが、今回の『大科学実験』です。なぜ、同じ高さの声がいいのでしょう?

 物をたたくと形が変わります。そして、元に戻ろうとします。元に戻る勢いで行きすぎてしまい、またそこから逆に元に戻ろうとします。これを繰り返すのが、振動(しんどう)です。ウルトラハイスピードカメラでのコップの変形を思い出してください。やわらかいゼリーもスプーンでたたくと、しばらくブルブルふるえていますが、この動きを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。コップの変形もゼリーの動きと同じです。コップやゼリーに限らず、物にはそれぞれ「一番変形しやすい」振動のスピードがあります。

 この「一番変形しやすい」というのがポイント。物にこれと同じスピードの振動を加え続けると、どんどん振動が大きくなっていきます。共鳴(きょうめい)や共振(きょうしん)といわれるものです。逆に、これ以外のスピードの振動では、物は大きく変形せずにすぐに止まります。

 コップが変形して振動すると、周りの空気を押したり引いたりします。このときの空気の動きを私たちは音として聞きます。振動のスピードが速ければ高い音に、遅ければ低い音に聞こえます(ゼリーを揺らしても音が聞こえないのは、私たちの耳には聞き取れないくらい低い音だからです)。コップをたたいて確かめていた音の高さが、コップの「一番変形しやすい」振動が出す音の高さだったのですね。

 音の大きさ(音量)のことを科学の世界では「音圧(おんあつ)」といいます。「圧」は圧力、つまり音圧は音が空気を押す力のことです。同じ高さの音であれば、音圧が大きい(押す力が強い)ほど大きな音として聞こえます。コップに向かって大声を出すのは、空気を押して大きな振動をコップにぶつけることです。このとき声の高さを、コップの「一番変形しやすい」振動が出す音、つまりコップをたたいて出る音と同じ高さにすれば、どんどんコップの振動が大きくなっていき、やがて変形にたえられなくなって割れる!……はずです。

下記のサイトに制作ウラ話をのせています。こちらもぜひどうぞ!

詫摩雅子/元 日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ

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