やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

実験15「本は力持ち」

物と物とが触れ合うと摩擦力が生じる。2冊の本を1ページずつ重ね合わせ、生じた摩擦の力で、どのくらい重いものを吊るすことができるのか、実験で検証する。

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「本は力持ち」

 「コップは力持ち」でつり下げられた力士が、今度は本と対戦です。

 今回のテーマは摩擦(まさつ)です。ぴったりと触(ふ)れ合った物同士には 摩擦の力が働きます。この「ぴったり」が大事な点です。番組では2冊の本のペー ジを交互に重ねていき、最後に輪ゴムで止めました。

 ごく普通の輪ゴムですが、 ゆるくとめただけでもその効果(こうか)は大きく、あそこを輪ゴムでとめないと、本はばらけて比較的簡単に抜けてしまうそうです。たかが輪ゴム、されど輪ゴムといったところでしょうか。

実は摩擦の原理について本当のところはくわしくわかっていませんが、固体(こたい)どうしの摩擦については、表面の細かな凹凸(おうとつ)がかみ合うのを原因とする説(凹凸説とします)と、実際に接しているごく小さなでっぱり部分がくっついていることを原因とする説(凝着(ぎょうちゃく)説とします)があります。

凹凸説だと、まったく凹凸のないものどうしのとき、ぴったりとくっついて摩擦の力が強く働き、簡単にははがせなくなることが説明しにくいのですが、凝着説だとしっくりきます。

 落語の「三井の大黒」というお話を聞いたことがありますか? 江戸時代初期の彫刻家(ちょうこくか)・左甚五郎(ひだりじんごろう)が主人公です。この落語の中に、甚五郎がかんなで削(けず)った板を2枚重ねると、ぴたりとくっついてはがせなくなったという逸話(いつわ)が出てきます。甚五郎そのものがなかば伝説化していて、実在した人なのかどうか定かではないようですが、この逸話自体は十分に考えられることです。

摩擦力は、物の素材によって大きく変わるので、どのくらいの重さをつり下げられるかを計算だけで求めることはできません。

 大科学実験の番組作りでも、実 際に実験をし、そのデータをもとに同じ紙質の本でページ数を増やすとどうなるかの予想を立て、それをまた実験で確かめるという方法を繰り返したそうです。まさに「やってみなくちゃわからない」ですね!

 下記のサイトに制作ウラ話をのせています。こちらもぜひどうぞ!

詫摩雅子/元 日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ

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