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これまでの大科学実験

実験22「みんなここに集まってくる」

直径2mの放物面にたくさんのボールを落とし、ボールの動きを観察する。放物面の軸に平行になるように落とすと、はねかえったボールは必ずある一点を通る。

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「みんなここに集まってくる」

 今回のテーマは「パラボラ」です。

 一番身近なパラボラは衛星放送(えいせいほうそう)を受信(じゅしん)するためのパラボラアンテナでしょう。パラボラはこれまでにも第4回の「太陽で料理しよう」に登場(とうじょう)しました。パラボラは日本語では「放物線(ほうぶつせん)」あるいは「放物面(ほうぶつえめん)」といいます。第18回の「ボールは戻ってくる?」で上に放り上げたボールがたどる「きれいな山なり」の道筋も実は同じく放物線です。放物線を山なりのてっぺんのところでつり下げてぐるりと回転させると、放物面が得られます。

 パラボラの特徴(とくちょう)は、てっぺん(あるいは底)に垂直な線(=軸(じく))と平行になるように入ってきて当たったものがはね返ると1カ所に集まることです。「太陽で料理しよう」では日光をフライパンの下に集めました。

 もう少し、詳(くわ)しく説明しましょう。光や物が何かに当たってはね返るとき、当たったときの角度(=入射角(にゅうしゃかく))とはね返るときの角度(=反射角(はんしゃかく))は同じ大きさになります。入射角と反射角は第13回の「暗闇に光を!」でもやりましたよね。パラボラのどの位置(いち)に当たるかで、入射角は変わり、それに応じて反射角も変わります。ですが、パラボラ曲線では、軸と平行になるように入ってきたものは、1カ所に集まります。これがパラボラ曲線の特徴で、円の一部を切り取った形(=孤(こ))などでは、このようにはなりません。

 番組では黄色の実験レンジャーがピンクの放物線をかついで、同じ曲線を探しに行きます。車、ババロア、鉄橋(てっきょう)…。どれも少し違(ちが)います。鉄橋や道路のカーブなど、いかにもぴったりのようですが、多くは円の一部です。高速道路ではカーブの手前に「R=200」などと書いてあることがありますが、これは「もととなる円の半径は200m」という意味です。Rが小さいほど、急カーブになります。

 そして、実験レンジャーが最後にたどり着いたのが「国立天文台 野辺山」。ここには遠く宇宙から届(とど)く電波(でんぱ)を集めるための望遠鏡(ぼうえんきょう)があります。これこそ、パラボラです!

 パラボラアンテナは「軸と平行に入った」電波を1カ所に集めるので、観測(かんそく)するにはその方向に向けなければなりません。ずれていると、電波をうまく集められません。だから、あんなにスムーズに動くように設計(せっけい)されているのですね。

 今回の大実験では、パラボラではね返ったものが1カ所に集まる様子が見てわかりやすいように、オレンジのスーパーボールを使いました。スローモーションの映像は美しいですね。ベルのある場所にねらいを定めているかのように、ボールがはねていきます。今回はこの映像を通じて、自然の法則(ほうそく)のシンプルな美しさを楽しみましょう。

 下記のサイトに制作ウラ話をのせています。こちらもぜひどうぞ!

詫摩雅子/元 日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ

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