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これまでの大科学実験

実験23「水深10000m!?」

風船を見ずに沈めると、深くなるにしたがって中の空気がまわりから押されて、小さくなる。では、水深10000mの改訂にバイクを沈めたら、どうなるだろうか。

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「水深10000m!?」

 今回の大実験のテーマは「水圧(すいあつ)」。実験03「コップは力持ち」では、空気の力「大気圧(たいきあつ)」の実験をしましたが、今度は水の力。水は空気よりもずっと重いですから、その分、力も強いのです。

 実験では鉄のバイクを使いましたが、はじめの計画では発泡(はっぽう)スチロールで作ったクジラにするつもりだったそうです。大きなクジラが水圧でぺちゃんこになってイワシくらいのサイズになる──。ところが、番組に登場(とうじょう)する海洋研究開発機構(かいようけんきゅうかいはつきこう)の方のお話で、発泡スチロールだと水深(すいしん)1000m程度(ていど)で、もうそれ以上はつぶれないくらいにぺちゃんこになってしまうということがわかりました。そこで、かたくて見るからに頑丈(がんじょう)そうな鉄のバイクを使うことになりました。実際(じっさい)に深いところに沈(しず)められればいいのですが、さすがにそれは難(むず)しいので、実験タンクを使って水深10000mと同じ環境(かんきょう)を作りました。

 水圧をかけていくと真っ先(まっさき)に変形(へんけい)したのはタイヤでした。そしてライトがくだけて、後は鉄の部分が次々とへこんでいきます。ところがつぶれない部品がありました。燃料(ねんりょう)タンクです。

 燃料タンクはどうしてつぶれなかったのか? この謎(なぞ)は番組の最後にわかります。それは、中に水が入ったからです。では、なぜ水が入ると、つぶれないのでしょう?これを考える前に、燃料タンクに水が入る前やほかの部品の中には何が入っていたか考えてみましょう。

 番組では実験の前に「燃料タンクは空(から)」といっていましたが、実は空気が入っていたのです。空気は力を加えると体積が縮(ちぢ)みます。なので、中が空気の部品はつぶれてしまいました。これに対して、水は力を加えてもほとんど体積が縮みません。燃料タンクは中に水が入ったおかげでおしつぶされなかったのです。つぶれない風船にも、実は水が入っていたのです。

 空気と水の縮み方の違いは、注射器(ちゅうしゃき)のシリンダーや水鉄砲で確(たし)かめることができます。口にふたをして押すと、中が空気のときは縮みますが、水を入れるとほとんど縮めることはできません。 ぜひ試してみてくださいね。

 ところで、最初にへこんだタイヤが途中で戻っていることに気がつきましたか? これも途中から水が入ったみたいです。実験を終えて外に出したときには、空気も元の大きさに戻っていますからタイヤがパンパンにふくらんでいたそうです。空気栓(くうきせん)をゆるめたら、空気と水が勢(いきおい)いよく噴(ふ)き出して、びっくり!あわてて閉め直したそうですよ。

 下記のサイトに制作ウラ話をのせています。こちらもぜひどうぞ!

詫摩雅子/元 日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ

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