やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

実験30「軽々上がるピアノ」

滑車を使って、一人でピアノを持ち上げることができるか実験する。

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※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「軽々上がるピアノ」

 今回のテーマは滑車。実験21に登場した「てこ」と並んで、重い荷物を持ち上げるときに、昔から使われてきた道具の1つです。

 番組で説明があったように、滑車が1つあると荷物を持ち上げるために必要な力は半分になります(正確にはひもやロープと一緒に持ち上がる「動滑車」というタイプの滑車です)。 大実験では8つの滑車を使ったので、半分の半分の半分の……で1/256となります。ピアノの重さは380kgですから、約1.5kgの荷物を持ち上げる程度の力で十分に持ち上げることができます(実際にはピアノだけでなく、滑車やロープの重さも考える必要がありますが、たとえば合計450kgだとしても約1.8kgの荷物を持ち上げる力で大丈夫です)。

 番組ではあまり触れていませんでしたが、滑車にはもう1つ重要な性質があります。それは、滑車1つあたり、力は半分ですむけれど、ひもは2倍の長さを引っ張らなくてはいけないということ。荷物を1m持ち上げるためには、ひもを2m引っ張る必要があります。

 ピアノを持ち上げるために、実験レンジャーはひもを引き続けていました。その長さはどのくらいでしょう? 8つの滑車のそれぞれにひもが付いているので混乱しそうですが、実は簡単。1番目の滑車が、クレーンの高さまで上がりましたから、この距離の2倍となります。クレーンの高さは24mでしたから、48mとなります(実際には、滑車のスタート地点は地上よりも少し高いところなので、これよりも短くなります)。

 1番目の滑車が24m上がると、2番目の滑車のひもを24m引っ張ることになりますから半分の12m上がります。3番目はその半分の6m、4番目は3mと半分ずつの高さになっていきます。番組の最後の場面で、滑車の高さが半分ずつになっていることを確認できます。

 さて、実験レンジャーが48mひもを引っ張ったとしたら、ピアノはどのくらいの高さまで持ち上がったことになるでしょう? 8つの滑車を使うと、力は1/256ですみますが、引っ張る長さは256倍になります。48メートルだとしたら計算上は約19cmになります。滑車のスタート地点の位置が5mで、引っ張った長さが43mだったとしても、計算すると約17cm。

 どうでしょう? 番組の中でピアノの最後の1本の足はその高さまで上がっていたでしょうか? もっと地面ギリギリだったように見えます。ピアノが傾いて3本の足が同時に持ち上がらなかったことがおもな原因ですが、それだけではありません。実は、ひもやロープは力を加えると、ごくわずかですが伸びます。大実験となるとそれも無視できなかったようで、実験レンジャーたちは、滑車がてっぺんに行くまでにピアノが持ち上がるか、本当にハラハラしたそうです。だから、「やってみなくちゃわからない!」

詫摩雅子/日本科学未来館

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