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これまでの大科学実験

実験32「小便小僧と巨大オムツ」

日常生活のさまざまなシーンで使われている吸水性ポリマー。果たしてどのくらいの水を吸うことができるのだろうか。

コラム今回の実験 「小便小僧と巨大オムツ」

 今回は紙オムツの中に入っている「吸水ポリマー」が主役です。種類にもよりますが、自分の重さの数百倍の水を吸収することができます。最初の実験では0.5グラムで100ccの水を、大実験では10キログラムで1トン(1000キログラム)の水を吸っています。

 でもこれは「水」の場合。一般に吸水ポリマーは「水」は数百倍を吸い取ることができますが、水の中に塩が入っていたりすると、そこまで吸い上げることはできません。人間のおしっこには塩分が含まれますから、数百倍とは行かず、数十倍程度になります。

 大実験ではちょうど100倍の水なので、余裕で吸い取ってくれそうですが、使っているのは水道水です。水道水にもわずかですが、水以外のミネラルなどが入っているため、やはり吸水力は落ちてしまいます。

 紙オムツにはパルプが入っていました。これは逆もれ防止のためとされています。吸水ポリマーは水をぐんぐん吸収しますが、それでもおしっこの出る勢いが強い場合、吸い取るのに間に合わなくて……となりかねません。そこで、まず、すばやく吸水するパルプを入れてあるのです。大実験の巨大オムツでもパルプの代用品としてティッシュペーパーを使っていました(風で飛んでしまうため、のりで貼り付けながら敷き詰めたそうです。これが結構、時間がかかったのだとか)。

 大実験では大量の吸水ポリマーを使いました。先に水を吸ったポリマーが膨らんで水を通さない蓋の役目をしてしまって、水がもれてしまったのはご覧の通り。お料理でホットケーキなどの粉に水を入れると「ダマ」になってしまうことがありますが、これと同じ現象です。これはまったくの予想外だったそうです。通常の紙オムツでは吸水ポリマーの層があそこまで厚くなることはないので、まず、こんなことは起きません。大がかりな実験だからこそ、起きたトラブルだったわけです。

 ところで、実験成功後、水を吸ってぶよぶよになった吸水ポリマーを、そのあとどうしたか、気になりませんか? 実は吸水ポリマーは塩(塩化ナトリウム)や雪を溶かず融雪剤(塩化カルシウム)などをかけると、吸い取っていた水を出し始めます。その場面も見てみたかったですね。

 ところで、皆さん、冒頭で小便小僧がおねしょをした布団の模様、世界地図になっていたことに気がつきました?

詫摩雅子/日本科学未来館

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