やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

実験33「水のハイジャンプ」

水をホースに入れて持ち上げる。水が、どこまで高さを乗り越えられるか、実験する。

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「水のハイジャンプ」

 「水のハイジャンプ」と名付けられた今回の実験は「サイフォンの原理」として知られています。用意するのは水槽やコップなどの容れ物を2つと、水などの液体、それにホースやチューブなど。これだけです。2つの容れ物のなかにある水をチューブでつなぐと、水面の高さが同じになるまで、水が一方からもう一方へと移動します。

 ポイントは、チューブの中の空気を抜いて水で満たし、2つのコップの水を1つにつなげること。チューブに空気が入らないようにするのがコツです。つながった水の水面は、同じ高さになろうとします。最初にジュースで実験レンジャーがやったように、一方のコップを持ち上げたりして水面の高さを上げると、また高さが同じになるように水が流れ始めます。逆にコップを机から下げれば、今度は逆に流れます。水は低い方に流れるという、重力による当たり前の性質から、水面の高さが同じになるまで高い方から低い方へと流れていきます。

 番組で実験していたように、チューブを高く持ち上げても大丈夫。つながった水は、低い方へと流れていきます。でも、不思議ですよね。低い方へと流れるはずの水が、その途中とはいえ重力に逆らって上っていくのはなぜでしょう? これは、番組でも紹介しているとおり、空気が押す力、つまり「大気圧」のせいです。普段、あまり意識しませんが、私たちはまわりの空気から押されています。この押す力が水面にもかかっています。押された水は移動して、チューブの中を上っていくわけです。

 とはいえ、上れる高さには限度があります。空気の押す力に限界があるからです。チューブの中の水をまっすぐな柱として考えてみましょう。同じように空気も柱で考えます。実験03「コップは力持ち」にも書きましたが、親指のツメ(1cm四方くらい)の上に空気の柱が乗っかっていると想像してください。空のずっと高いところまで空気がありますから、とても長い柱となります。この長い空気の柱はだいたい1kgの重さとなります(その時の気温やお天気、標高などで変わります)。この重さで押していることになります。一方、1kg分の水を同じようにツメに乗る柱にすると、その高さは10mくらいです。空気の重さとそれに押されてチューブを上る水の重さがつりあうまでは、水は上っていくことができます。それがだいたい10mの高さというわけです。

 重さのつりあいで決まるので、水よりも重い液体の場合はもっと低いところまでになります。たとえば、金属なのに普通の気温では液体となっている水銀は水の13.5倍以上の重さがあります。水銀の場合は10mどころか、1mを上ることもできません。

 水銀は有害なのでなかなか実験はできませんが、水での実験は簡単にできます。皆さんもいろいろ試してみて下さいね。面白いですよ。

詫摩雅子/日本科学未来館

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