やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

実験42「美しき落下」

鉄の玉50個を落とす大実験。ものの落ち方に決まりはあるのだろうか。

※番組の配信は2014年3月31日をもって終了しました

コラム今回の実験 「美しき落下」

今回のテーマは「落下」。重い物も軽い物も落ちる速さは同じ。そして、いったん落ち始めると、そのスピードはどんどん速くなっていきます。この2つのことを発見したのはガリレオ・ガリレイとされています。400年ほど前のことです。

けれども、私たちが普段見ることのできるような高さからでは、落ちるのが速すぎて、なかなか実感できません。そこで実験レンジャーたちが使ったのは、斜めに傾けたレール。実は、この斜めレールはガリレオのアイデアです。ボールの位置が音でわかるようにベルを使ったのもガリレオ。制作スタッフは「ガリレオのベルを実行してみたかった」と企画の早い段階から、この実験を決めていました。

さらに時間を計るのに、時計の振り子が出てきます。デジタル時計などではなく、なぜ振り子? 実は、ここにもガリレオが。振り子の法則(※)の発見もガリレオの業績の1つなのです。

後半は、まさに「大科学実験」ならでは映像です。鉄の玉を落とす間隔を0.02秒にしたのは、全体の高さや幅、玉の数などから見映えを考えて決めたそうです。画面左から先に落ちていく50個の玉は、ある一瞬で止めてみるとゆるやかな曲線を描いています。この曲線、見覚えがありませんか? 実験18「ボールは戻ってくる?」や実験22「みんなここに集まってくる」などに登場した放物線(パラボラ)と同じ曲線です。

放物線は、その字の通り、放り投げた物が描く曲線のこと。投げた物は横に飛ぶと同時に下に落ち始めるので、カーブを描きます。今回の大実験では、1つ1つの玉は真下に落ちます。ですが、同じ間隔で横に並べた50個を同じ時間差で次々と落としているので、全体を見るとまるで1つの玉が放物線を描いているところを、ストロボ撮影で写したように見えるわけです。

ガリレオは落ち始めた物のスピードは経過時間の2乗に比例すると言っていました。この関係をグラフにすると、あの曲線になります。ストロボ撮影もハイスピードカメラもなかった時代。それでも、ガリレオにはあの美しい曲線が“見えて”いたのかもしれませんね。

※振り子の法則:ひもの長さが同じであれば、振り子が往復するのにかかる時間(周期)は一定で、おもりの重さや揺れ幅には関係ない。

詫摩雅子/日本科学未来館

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