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これまでの大科学実験

実験46「水中の音の速さを見てみよう」

空気中の音の速さは毎秒およそ340m、1.7kmをおよそ5秒で進む。水の中ではどうだろう?1.7kmはなれて水中で音の速さをはかる。

コラム今回の実験 「水中の音の速さを見てみよう」

音の話に入る前に、撮影ウラ話的なクイズを1つ。

今回は海に船を出しての実験でした。当日は天気に恵まれ、年に1回あるかないかというくらい波のない海だったそうです。2そうの船が出ましたが、一方の船の実験レンジャーたちは船酔いに苦しんだのだとか。音を出す方の船は沖に出て碇を下ろさず、聞く方の船は碇を下ろした状態で実験をしていました。船酔いをしたのは、どちらの実験レンジャーでしょう? 答えは最後に。

さて、本題に入りましょう。「大科学実験」の記念すべき第1回放送は「音の速さを見てみよう」でした。今回はその水中版です。

地上での実験01ではシンバルは980m、歌手の声は1180mまで届きました。どちらも伝わる速さはほとんど同じで、1秒間に約340mでした。

水中では歌手の声も1700m届いていました。しかも、ずっと速かったですよね。今回はこれがなぜなのかを考えてみましょう。実験08「声でコップが割れる?」や実験36「音の波を見てみてみよう」でも紹介されていましたが、地上での「音」は空気の振動として伝わっていきます。

空気の振動とは何のことでしょう? 私たちの目には見えませんが、空気とは酸素分子とか窒素分子などといった小さな小さな粒がふわふわ浮いた状態になっています。音の振動は、この粒々をパーンと押します。そうすると、押された場所は一時的に粒々がいっぱいあるところ(密度の高いところ)となります。密度が高くなったところは元のまばらな状態に戻ろうとしますが、そのときに、すぐ隣に密度の高い場所ができます。粒々そのものが長い距離を移動していくわけではなく、粒の密集した状態が隣へ隣へと伝わっていきます。これが「音の振動が伝わる」の正体です。

水中を音が伝わる場合も同じです。水も水分子という粒々が集まったものです。ただ、水のような液体は、空気や水蒸気といった気体よりももともと粒の密度がはるかに高くなっています。粒の密度が高い場所が伝わるのが音の振動ですから、もともとの粒がたくさんある液体の方が、より速く、弱まらずに伝わっています。

もっと粒の密度が高い固体の場合、音はさらに伝わりやすくなります。大科学実験でもテーマにするはずですよ。

さて、最初のクイズの答えは「碇を下ろしていた船の方」です。流れに任せる船よりも、碇で固定されて引っ張られる船の方が、酔いやすい揺れになるのですね。

詫摩雅子/日本科学未来館

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